「セヴァン」と言うのは、今から20年前の1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催された
環境サミットにおいて、わずか12歳で伝説のスピーチを行った人物、
セヴァン=カリス・スズキの事。
現在、環境活動家として活躍する彼女は、この映画のキーパーソンとして出演している。
『どうやってなおすのかわからないものを
壊しつづけるのはもうやめてください。』
あれから20年近くがたったが、状況は相変わらずである事を悲しみ、
涙を流すシーンもあった。
「相変わらず」ではなく更に悪化している様にも思えるが…
この幼いセヴァンのスピーチシーンがところどころで映し出され、
涙が込み上げそうになった。
子供の真っ直ぐな言葉は、時に痛い。
大人になった私が改めて彼女のスピーチを聞いたからかもしれない。
20年前は私も子供だったから良く解らなかったけど、今の日本の状況を考えると…
20年前の映像を観ながら、今の子供たちの声を聞いている様で、
とても苦しく、申し訳なく、情けなく思わざるを得ない。
原題は「Severn La voix de nos enfants (セヴァン 私たちの子供の声)」。
ジャン=ポール・ジョーと言うフランス人監督の作品。
邦題の訳が違うが、映画の中に、セヴァン以外に地球をなおそうと言う
志のある人々が出てくるので、きっとこの邦題になったのではないかと思う。
その中には日本で有機農業を実践する方々も出てくるので、
日本人の私が観ていても共感出来る事は沢山あった。
「遠い国の事ではない」と言う焦りも一緒に。
『 「母なる自然を守り地球を救わなくては」 気持ちはわかりますが、
私の考えは違います。
地球は自力で生き残れる。
私たちが望むのは、幸せで健康な生活です。
大切なのは生活の質と健康、そして子どもなんです。
だから私は自己中心的に、自分たちをどう救うかを考えていきたい。 』
セヴァン・カリス=スズキ
ジャン監督は、この映画が日本で上映された昨年6月に来日し、
カメラを持って福島訪れている。
次回作のテーマは「原発」だそう。